自分を犠牲にしない生き方

「より少なく、しかしより良く」

仕事を辞める前にやっておくこと

 仕事にやりがいをやりがいを感じない、人間関係に行きづまったことが理由で、今の仕事を辞めたいと思うことがあるだろう。

 たしかに、新しい環境に身を置くことで健康を取り戻したり、新しいチャンスに恵まれることはある。

 しかし、今の環境を変える!という強いモチベーションに突き動かされた結果として、うまくいったというのが正しいだろう。

 転職や起業にさきがけて、多くの人が感じる恐怖は、お金がなくなり生活できなくなること、もっというと死への恐怖が生まれるという。

 環境を変えるということは、いままであった保証がなくなるということだ。

 職場に行って決められた時間働けば給料が支払われる、周りの人のフォローがあって自分の仕事だけに集中すればいい環境が与えられるなど、いままで当たり前に手に入れられたものが失われるのだ。

 今の自分を変えたいと思ったら、今までの自分の環境も変わることを理解しておかないといけない。

 職場の上司や両親から反対されても、動じないくらいの収入が確保されているのか、その製品やサービスが売れると自信を持って答えられるか。

 この時点で自分の感情が揺らぐのであれば、いまの会社を辞める前にまだやることがあるのだ。

 起業家のマイケル・マスターソンは、『モチベーションもたしかに大切だが、それ以上に必要なのは賢いリスクマネジメントであり、やみくもにリスクに手を出すことではない』と言っている。

 僕もその意見に賛成する一人だ。

 環境を変えればあとはどうにかなる、というのはあまりにもリスクが大きすぎる。

 必要なのは、いきなり人生をかけるような大きなリスクを犯すのではなく、今いる環境を最大限に活かして、ゆっくりと発進することだ。

 もちろん、自信がないからと言って何年も勉強ばかりして、時間を無駄にしない。

 費用はなるべくかけずに、今すぐにできることから始めるのだ。

 さらに、マイケル・マスターソンは、サイドビジネスを成功させるために必要なのは、自分がよく知っている業種に関係したビジネスを始めることを薦めている。

 僕の場合、今の仕事を辞めずに、週に一度、数年前から縁があって以前の会社でお付きあいがあったお客様の会社から、個人で仕事を請け負うことができた。

 もともと十年以上同じ業種の仕事をしていて、個人的にも出張依頼を受けていたので、スムーズに軌道に乗せることができた。

 もし、まったく経験のない仕事だったらここまで続いていなかっただろう。

 さらに、僕は将来は作家になりたいという夢を持っている(このブログもそのための活動の一つだ)。

 そのために必要なことはまず何か? 仕事を辞めることではなく、毎日文章を書くことだ。

 何を書くかは、自分が経験のあるサラリーマン生活で気づいたことを、20代の部下へのメッセージを伝えることにした。

 それから、自分の書いた文章を多くの人に読んでもらって反応をみること。それを踏まえて、読んでもらえる文章が提供できるようになることだ。

 さらには、出版するための方法や業界の流れなども学ぶ必要がある。

 これは、会社を辞めなくても、今すぐにできることばかりだ。 辞めてから準備しようと思っても遅いのだ。