自分を犠牲にしない生き方

「より少なく、しかしより良く」

このまま今の仕事を続けるのはもうやめよう

今日は、退職についてお伝えしたい。

 

先日、僕は会社のオーナーに会社を退職する旨を伝えた。

お互いにもう限界だったと薄々感じてはいた。いくら指導されても改善しない業務成績、毎朝無理やりやる気を出して会社に行くけど、四六時中緊張しっぱなしで、休日は個人の仕事をこなす…もうなんのために生活しているのかもわからないくらい、疲れていた。

 

あるとき、このまま嫌な思うをしたまま仕事をするのは嫌だな、と思った。

でも、会社を辞めて転職するのも、一念発起して起業するのも、自分には合っていないとわかっていた。

 

じゃあ、どうするか?

 

いつもここで悩んでしまっていた。

そもそも、自分が今後何をしていきたいのか、漠然としすぎて決められずにいた。だから、インターネットで情報を探して、良さそうなものがあったら飛びつく、いわゆるチャンス志向型の考え方になっていた。最初は良くても、しばらくすると『やっぱり違う…』と感じてやめてしまう。そうして、また元の嫌な仕事を生活のために続けていくことになるのだ。

 

この無限ループから抜け出さない限り、いつまで経っても状況は変わらない。

 

あまりにも疲れすぎて、ある日上司から怒鳴られた瞬間、

『あ、もう無理だな…』と直感した。

 

もういまの仕事をやめよう、と決意した。

 

あなたが真っ先にやることは?

 

自分の胸の内側から湧き上がってくるような、嘘偽りない感情だった。

 

もちろん、その気持ちを家族に相談した。

いま自分が何を感じていて、どうしていきたいのか、を率直に伝えた。

今までだったら、真っ先に周りのことを考えてそれに自分が合わせようとしていた。でも、今回はそうしなかった。

まずは、自分が何を考えていて、どうしていきたいかを決めることが先だった。

そうしないと、相手に何も伝わらないし、意見も返ってこない。

当たり前だけど、ただ悩んでいる人の話を聞くほど無駄なことはない。大抵、話しているけど、実現しない。お互いの時間を無駄にしてしまっている。言い方は悪いけど、まずは自分でどうするかを決めてから相談するべきだ。

 

退職を上司に伝える時は、足が震えた。

一度伝えたら、もう後には引き返せない。恐怖だった。

でも、自分の中では覚悟は決まっていた。

 

退職の旨を上司に伝えたら、あっさり理解してくれた。

今後生活していけるのか?家族は理解しているのか?仕事の環境を変えてもどうにもならないのか? あらゆる質問に対して、僕は感情抜きで淡々と伝えた。

上司は、もう何も言い返せなかった。もちろん、言いたいことはたくさんあっただろうけど、その時は僕に対してかける言葉が見つからなかったのだ。

 

退職を伝えてから営業成績が上がったワケ

 

僕はその日を境に、周りの人の目を気にする必要がなくなった。

何しろ、すでに退職することを伝えて、いつまでに辞めるとまで宣言しているから、あとはやるだけやればいいのだ。今まで、先が見えなくてモヤモヤしていた気持ちも、すっと消えていった。

 

不思議なことに、これからは自分でやっていくと決めたら、それまでやっていた仕事に対する集中力が変わった。自分の時間と労力をその仕事に費やすこと、本当に必要なことを優先することが、自然と意識できるようになった。

もちろん、今まで山ほど読んでいた本にも、その重要性は書いてあった。でも、それは自分がそうゆう状況になって初めて活きてくるものだと、心から実感できるようになった。

お客様に対しても、自信を持って接することができるようになった。自分はこう考えている、という核があってこそ、お客様の悩みや感情を理解しようという心構えができる。特に技術的に変わったことはないにも関わらず、営業成績は順調に伸びていった。でも、いまの僕にはそれで満足している暇はない。油断せずに、これからやっていかなければいけないからだ。

 

今度は、退職して独立することを知り合いや仕事でお付き合いのある人にお伝えすることにした。意外にも、『おめでとう』『頑張ってね』『独立したら行きますから連絡先を教えてください』と前向きな言葉をかけてもらうことが多かった。以前なら、まだ時期じゃないからやめた方がいいとか、もっとよく考えろ、という後ろ向きな意見が多かった。

でも、今回は相談ではなく、事後報告だ。もう自分がこの方向で行きます!という宣言をしているから、人はそれを応援してくれる。感動して勇気がもらえた。僕もそれに応えようと真剣に思った。

 

嫌な仕事は一切やらないと伝えたら、理想の働き方が見えた

 

さらに後日、職場の上司から今後のことについて相談を受けた。

どうにか残ってくれないか、と説得されたのだ。

これから新しいことを試す時期だし、新しいスタッフも入ってくるから、いま抜けられると困るという。

相手の話をよく聞き、事情も飲み込めた。だけど、僕はそれをやりたい!とは思えなかった。相手が僕に対して求めている役割と、僕がやりたいかどうかは全く別の問題だ。それに合わせて引き受けたところで、また同じような失敗を繰り返すのがわかっていた。だから、僕はそれらの仕事は一切断ることにした。月20万円の基本給の代わりに、やりたくない仕事やその他の雑用に自分の時間と労力を費やすことは、絶対にしないと決めていたからだ。

ただし、接客だけなら引き受けてもいいと考えた。つまり、完全歩合の業務委託という形だ。基本給が出ない代わりに、接客した分だけ報酬が発生する。そして、何といっても、働く時間を自由に設定できる。この働き方の方が、自分には合っている。

何もしなくても給料が保証されるのはいいが、それ以上の成果を求めようとした時に、『これくらいでいいか』という甘えが出てしまう。だったら、自分がやった分だけ報酬が得られる方が、より集中して取り組める。無駄にやらされる仕事もないから、その分ほかの自分が力になりたい人のために取り組めばいい。そう考えた。結局、会社では業務委託で働くことになった。

 

このまま今の仕事を続けていてあなたは幸せですか?

 

正直に答えて欲しい。そうだというなら、今まで通りやっていけばいい。そうではないと少しでも思ったら、いまの仕事のやり方に疑問を持つべきだ。自分がやりたいことをまず決めないと、周りには絶対に理解されないからだ。そもそも、自分が何をしたいのかわからずに悩んで行動に移せないのだから当然だ。

給料をもらっている以上、最低限それに見合った仕事をするのは当たり前。それなのに、それをおざなりにして、職場や上司の不満ばかりで、最低限の仕事もしないのは論外だ。それでは、お客様に対して失礼だし、自分自身もいい気持ちで仕事ができないのだ。

でも、あなた自身がどんな風に働きたいのか、どうやって生きていきたいのかを決められるのは、あなたしかいない。それにいまの働き方が合っていなければ、自分で変えればいい。それが結果として、転職なのか起業なのか、フリーランスなのかは自然と決まってくる。

この順番を間違えると、単なる現実逃避になってしまう。その時はよくても、しばらくするとうまくいかなくなる。キャリアアップでもステップアップでもなく、またゼロからやり直しだ。年齢が高くなるほど不利になるのではなく、自分で自分のキャリアを捨てて一からやり直す覚悟がないから、どんどん状況が厳しくなるのだ。

それなら、自分が納得する方法で今できることをやり始めた方がいい。すぐにお金にならなくても、人の助けになることはできる。いまの職場の環境を自分から変えることはできる。いまの仕事が会社でなくてもできる。もっと、自分のやりたいことに向き合って考えてみるべきだ。 それがわかったら、あとはどんどん人に伝えよう。できることはなんでもやる。でも、あなたのやりたいことと違ったら、それはすぐにやめていい。