自分を犠牲にしない生き方

「より少なく、しかしより良く」

どうやって僕は、上司に退職を伝えたのか?

人に自分の意思を伝えるのは怖い

 職場に退職を伝えるのは、かなりの勇気がいる。辞めたあとどうするのか、もしお金も仕事もなくなったらどうするのか、不安と恐怖ばかりだ。

 それでも、今のままではいけないと思ったら、行動に移さないといけない。僕の場合は、たまたま副業があり、転職も経験していたので、次は独立だとわかっていた。けれど、やっぱり怖い。まったく別の生き方をしなければならないのは、恐怖だ。

どうして今まで決断できなかったのか?

 なぜ、それまで退職を決断できなかったのか? それは、自分の人生に責任を持てなかったからだ。今の環境は、周りが悪いから。自分は悪くない。これから本気を出せばなんとなる。そんな周りのせいにするだけで、自分では何も変えようとしないのだ。

 それでも、どこかで決意することだ。今のうちにやっておくことは何か? もし、お金がなくなったらどうするか? 今後10年で何をやりたいのか? 今までは職場の人間関係で疲れ切って、そんなことを考える余裕もなかった。それでも、一度決意してしまえば、あとはやるしかない。

自分の人生の責任を引き受ける

 先延ばしにする癖は、結局責任を取りたくないからだ。決断したら、責任を持ってやらなければならない。自分で決めないから、周りから言われたことをやるしかない。うまくこなしているつもりでも、やりたくないことはいつまでもできないのだ。

 では、どうしたらいいのか? 自分のできることは精一杯やること。そして、それに対して他人がどう思おうと気にしないことだ。

他人から自分の自由を守る

 自分が決断しなければ、他人に勝手にあなたの人生を決められる。他人の命令で動く。他人からの施しを受け取るだけ。その見返りにあなたの貴重な時間と労力が奪われる。

 逆に、自分が何を求めているのかをはっきりさせれば、自然と責任を持てるようになる。誰にも邪魔されない。自分の思ったままに人生を送ると決める。

 周りからどんな役割を求められても、それを素直に受け取る必要もない。自分の基準に合っているか、進んでやりたいかで判断する。それに合わなければ、丁重に断るのだ。

絶対に他人の犠牲にならないと決める

 どんな小さなことでも、自分で決めることだ。断って相手がどう思おうが、気にすることはないし、その必要もない。ほとんどのことが、相手の気まぐれでしかないからだ。

 会社員だからと言って、上司やオーナーの求める役割に従う必要はない。それを引き受けるかどうかは、自分で決めることができる。

 気持ちが安定していなければ、目の前の仕事に集中できず、成果も上がらない。それどころか、周りからの評価は下がっていく。自信もなくなっていく。

 厳しくても面倒くさくても、自分のことは自分で決める。他人の操り人形にはならない。気に入らない役割を引き受けない。押し付けられた責任を放棄する。

伝えることで新しい道が見えてくる

 自分の意思を伝えると、一時的にお互いの関係が悪くなるかもしれない。しかし、それでも自分の基準に従って行動することだ。

 自分の意思を伝えることで、相手の考え方が変わることがある。お互いの方向性の違いに気づく。もっといい形で続けられないかを考えるきっかけになる。

 そうして初めて、お互いにとって望ましい形が生まれる。だから、一時的な失敗や苦しみが必要になる。現状をぶち壊して、新しい状況を作り出すのだ。