自分を犠牲にしない生き方

「より少なく、しかしより良く」

期限を決めて、やりきること

 いつかこうなりたいと思っても、行動に移さなければその夢が実現することはない。ではどうすればいいのか。行動すればいいのだ。じっくり考えてから行動するというのは間違っている。なぜなら、周りの人や社会はあなたがじっくり考えている時間を待っていてはくれないからだ。

 逆にどうして人は行動に移せないのか。それは『期限』がないからだ。例えば、学校の定期テストや受験では必ず試験日までの期限があり、それに向けて各自が勉強をして対策を立てて本番に臨む。

 成績がいい人や合格する人は、テスト期間になってからいきなり勉強を始めたりはしない(一部の天才を除いては)。普段の授業から予習や復習を習慣づけて、大事なポイントや自分が苦手なことを集中的に勉強するから、本番での成績も良くなるのだ。つまり、テストまでの期限を計画的にかつ必要な対策を講じているのだ。

 一方、成績がよくない人は、たいてい一夜漬けでどうにかなると思っている。目標とする点数も特にないので、ただ試験をやり過ごすために勉強しているだけなのだ。試験が終われば、きれいさっぱり詰め込んだ知識は頭から消えてしまう。次の試験もまたその繰り返しだから、受験勉強を開始するのも先延ばしにしてしまうのだ。赤点、不合格という現実を見せつけられて、初めて自分の努力が足りなかったと後悔する。

 社会に出ると、テストや受験のように決められた期限はほとんど存在しない。常に結果を求められ、一度に多くのプロジェクトを同時進行している有能なビジネスパーソンにとっては毎日が締め切り期限であり、次の課題への準備が始まる毎日なのだ。

 その行動の繰り返しが圧倒的なスピードと膨大な経験となっていく。だから、急に上司に仕事を頼まれても、成績がよくない大多数の人がやんわりとやり過ごしたり、そこから大量の資料を当たって調べている頃、成績がいい人は自分の経験と上司の思惑を察知して、10分もしないうちに仕事を仕上げてしまう。

 何かをやり始めるときは、必ず期限を決めることだ。短ければ短いほど、スピード感があり、大量の行動に移せる。普通の人が一ヶ月かかるなら、あなたは一週間で仕上げてみる。三年かかるなら、あなたは三ヶ月で仕上げてみることだ。そうすれば、余計なことを考えている暇もなくなり、やればやるほど成功に近づくのだ。