自分を犠牲にしない生き方

「より少なく、しかしより良く」

お客様とのエピソードを大切にする

 お客様と接することで、共有できるエピソードをしっかりと覚えておくべきだ。ただ言われた通り、商品の説明をしたり、ただマニュアルで決められた対応するだけでは、あなたもお客様もお互いに印象に残らないのだ。
 目の前にいるあなたがこれから仕事を通じて付き合うに値する人間かどうかを、お客様は瞬時に見極めているのだ。
 どんなに綺麗なパンフレットや手書きの自己紹介文を渡されても、あなたが信頼されていなければろくに読まれもされずにゴミ箱に捨てられてしまう。
 それよりも、普段の生活や仕事の状況を聞いて、お礼の手紙に一言「息子さんは来月入学式ですね」と添えておく方が、お客さんにとっては嬉しいし印象に残るだろう。
 そもそも、これだけ情報がありふれている中で、自分たちの会社を選んでくれたお客様に対して、その他大勢の人たちと同じような対応をすること自体が失礼ではないか。
 確かに、情報を見た人が全員選んでくれるものではない。九割以上の人からはHPや印刷物を読まれもせずに通り過ぎてしまうのだから、ほとんどが無駄な努力に終わってしまう。
 しかし、その中でも何かを感じたり、自分の悩みを解決してくれるかもしれないという期待を持って訪ねてくれるお客様がいるのだ。
 たまたまあなたが担当になったのかもしれない。しかし、担当になるまでのその過程がどれほど大変なものであったのかを理解しておくべきだ。
 お客様が向こうから訪ねてきてくれること自体が奇跡といっていいのだ。あなたはその奇跡のような出会いに感謝したり、もっと興味を持って接することができているだろうか?
 目の前のお客様に対して、興味を持って接してみよう。商品を買いたいという人に対して、どんな生活をしていて、どのように役立てたいのかを聞き出してみる。
 逆にまだ商品を買おうかどうか迷っている人には、不安や悩みはあるか、それを解消できることをいくつも考えて与えていくのだ。
 その過程で話してくれたことはしっかりと記憶して、次の機会に聞いてみることだ。そうすれば、あなたを信頼していろいろと相談してくれるようになるだろう。