自分を犠牲にしない生き方

「より少なく、しかしより良く」

「間抜け」だから、うまくいく

あなたは、仕事を完璧にこなさないと気がすまないタイプだろうか?

僕はそうとう「間抜け」なタイプだから

完璧に仕上げようとしても、時間がいくらあっても足りない。

これを仕上げたのに、あれをすっかり忘れる。

早めに片づけたのに、家に帰った瞬間「あっ、忘れてた!」と思い出す。

どんなに頑張ってやっても、必ず何か忘れてしまうのだ。

最初は、忘れないようにチェックリストを作って、絶対忘れないようにした。

たしかに、やることを書いておくことで忘れることもグンと減った。

ただ、その分やらなきゃいけないことが増えすぎて、頭を使って考える作業がまったくと言っていいほどできなくなった。

やらなきゃいけないことに夢中で、自分がやるべきことをおろそかにしてしまったのだ。

次にやらなきゃいけないことで頭がいっぱいで、目の前のお客様の話が頭に入ってこない。

課題を提出することに精一杯で、もっと内容を考えて出せと言われてしまう。

まさに本末転倒だ。

やるべきことは、お客様に喜んでもらうことだ。

周りのスタッフが気持ちよく仕事ができるようにサポートすることだ。

あなた自身が毎日充実して、自分から仕事を進めていくことだ。

そもそも、やらなきゃいけないことなんてそんなにたくさんあるだろうか?

あなたが自分の事業を興して、あと一ヶ月で売り上げを上げないと倒産する、と言われたら、まずなにをするだろうか?

もちろん、売り上げを上げることだ。

社内のレイアウトがどうとか、この雑用を終わらせなきゃいけないとか、休みの日にどこに行こうかとか、そういうことに頭を悩ませている場合じゃない。

とにかく売り上げを上げること。

そうすれば、生き残れる。

生き残れれば、次にやることが見えてくる。

そのために必要なことを、一つずつ積み重ねていくのだ。

あなたがやらなきゃいけないとか思っていることは、いまやらなくてもどうせ誰も困らない。

だったら、いまやっておいた方がいいと思ったことだけやって、あとは放っておいてもいい。

時間ができた分、何度も見直しすればいい。

空いた時間で、本を読んで勉強すればいい。

忘れててもいいように、全部やろうとは思わないことだ。

自分のことが「間抜け」だと思ったら、むしろ仕事がうまくできる素質があるということだ。

忘れてたら、次の日にやればいい。

自分でできないことは、人に頼めばいい。

そのかわり、自分のやるべきことを全力でやる。

なにもかも、自分でやる必要はないのだ。

自分が「間抜け」だとわかると、他の人が失敗しても許せるようになる。

怒っている上司も、契約が一つ決まればとたんに上機嫌になって、一緒に喜ぶことができる。

普段から怒られ慣れてるから、お客様からのクレームも、落ち着いて対処できる。

全部やろうとしないかわりに、ものすごい集中力を発揮してものごとに取り組める。

少しくらい欠点がないと、周りの人はあなたを進んで助けようとしない。

相手から「しょうがないな、手伝ってあげるよ」と思われるくらいがちょうどいい。

なんでも「できます!」という人に限って、まったく仕事をしていなかったりする。

どうでもいいことばかりにこだわって、結果あなたが全部尻拭いをするハメになる。

しかも、自分が「間抜け」だと思われたくないから、素直に謝ろうとしないし、間違いも認めない。

困って困って、どうしようもなくなったときだけ助けてくださいと、泣きつく。

自分では精一杯やったんですけど、言い訳ばかり先に出てくるのだ。

なにを隠そう、数年前の僕はまさにこうだった。

そして、辞めていった部下もこんなタイプの人が多かった。

自分ばかり悩んでいるふりをして、周りの人からどう思われているかまったく気づいていないのだ。

本当に責任感がある人は、自分の欠点を隠そうとしない。むしろ、素直に認めて自分のやるべきことに全力を注げる人だ。

間違いは素直に認める。

わからないことを認めて、きちんと教えてもらう。

助けてもらったことに感謝する。

とにかく与えること。

かわいがられることだ。

自分がダメな人間だと思う人ほど、完璧主義な人が多い。

それだと、自分だけじゃなく周りの人にも迷惑がかかることに、気づいていないのだ。

心のどこかで、自分はこんなにやっているのに周りが理解してくれないという雰囲気が出てしまっている。

何度も言うが、まずはそういう自分を素直に認めることだ。

忘れることが多いなら、本当にいまやらなきゃいけないことを選んで、あとは捨てることだ。

あなたがいまできることを精一杯取り組むことだ。

助けてくれた人に感謝して、自分からお返しすることだ。

 

【やってみよう】

自分の欠点だとおもっていることを素直を認めよう。いま取り組むべきことを一つだけ選んで、全力で取り組もう。